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冬のノート [冬:師走]

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<テーマの目的>
テーマ:師走
目 的:もうすぐ年末です。12月になりますと、年越しやお正月の準備で忙しくな
    ります。「師走」とも呼ばれていたように、参加者の皆さんも走り回ってお
    られたと思います。
    師走にはどんなことをされていたのか、今のように便利でなかった頃のお話
    をしていただきます。


<実施日と参加者>
実施日:11月下旬
場 所:グループホーム(デイサービス併設)
実施者:リーダー1名、コ・リーダー2名
参加者:7名(90才台女性5名と80才台男性1名は要介護2~4、80才台女性
    1名)


<参加者への配慮>
・お元気だが遠慮気味の方は、リーダーが意識的に指名し、コ・リーダーはその方が
 発言しやすようにサポートする。
・お元気な方でも、聞いている(聞こえている)ように見えても、そうでない時が多
 くあるようなので、集中していただけるように話題に沿った問いかけを適宜行う。
・着座を続けることが苦手な方は、ご様子を見ながらが声かけを行い、時には発言を
  うながし、楽しんで参加していただけるようにサポートする。
・片側のみ、かろうじて聞くことが可能な方には、コ・リーダーが聞こえる側に座り、
  筆談によりコミュニケーションをとりながら、口頭でも話題を伝えてサポートする。


<進行予定>
1)12月になったら、まず最初にどんなことをされたか、お話していただく。
2)話題は、実際に実施されていた順番に(以下のような順で)お話いただく。
  ①年賀状を書く ②炬燵(こたつ)やストーブなど暖房の準備 ③大掃除
  ④障子の張替 ⑤年越しの餅つき 

3)最後に、年越しの準備が終わり、大晦日には、紅白歌合戦を見て、除夜の鐘を聞
  き、年越し蕎麦を食べ、「来年も良い年を迎えられるように、がんばりましょう」
  という雰囲気で終了する。


<用意した道具>
1)「師走」と大きく書いた文字
2)室内用の箒(ほおき)
3)豆絞りの手ぬぐい(2本)
4)話題としてとりあげるテーマの写真
 (写真は、インターネットの「写真サイト(無料)」などから、引用させていただ
  きました。詳細は後記しました)
 ①割烹着(かっぽうぎ) ②年賀状 ③炬燵(こたつ) ④障子貼り ⑥餅つき

5)歌詞カード
  (「きよしこの夜」、「たき火」、「雪」、「お正月」の歌詞)
 

<実際の進行>
リーダー:11月も終わりに近づきました。来月は12月。
    :12月の次は、何月でしょうか。
    →「1月」、「お正月」(などの発言あり)
    :12月は、別の呼び名もありますが、何と呼びましたか?
    →「しわす」(Aさん)
    →Aさんが「しわす」と言われました。師走はこんな字を書きました。
    →「師走」の文字を見ていただく。


             師走720 - コピー.jpg 


Fさん :お師匠さんが走るほど、忙しいから、師走と言う。
リーダー:この「師」は「お師匠さん」だそうです。お師匠さんは先生ですね。
    :偉い先生は、普段はどっしりと座っているのに、そんな偉い先生も走り回
     るほど忙しい月のようです。
Aさん :そう、先生も走り回るほど、忙しい。
    →皆さん、師走の忙しさについて、ワイワイがやがや。


リーダー:師走は、いろいろと忙しい月です。年越しの準備、新年の準備。
    :そこで、少し気が早いですが、今日は、12月に入ってから、慌てないよ
     うに、年越し、と、新年の準備についてお話していただきます。
              よろしくお願いいたします。


リーダー:師走のお仕事を、あれこれと思い浮かべられたと思いますので、お聞きし
     ます。
リーダー:皆さん、12月に入ったら、まず、何から始めますか?
    →「大掃除」(Aさん)                                リーダー:Aさんは、大掃除をするそうです。毎日のお掃除は毎日やってますので、
     1年間の大掃除をするそうです。
    →「餅つき」(Bさん)


         :大掃除、と餅つき、どちらが先ですか?
    →「大掃除」(Fさん)
    →「餅つき」(Bさん)

         :大掃除が先か、餅つきが先か、それぞれ家によって違うようです。
    →「大掃除が先」(Cさん)
    →「餅をついてから、大掃除」(Dさん)
    →「餅ついてからでは、掃除のごみが餅に入る」(Aさん)
    →「蓋をしておけば、大丈夫」(Dさん)
    →「うちは、大掃除をしてから、餅つき。餅はお父さんがついていた」(E
      さん)
         →「やっぱり、大掃除やってから」(Gさん)


リーダー:大掃除をしてからお餅つきの方が多いようですね。
    :では、大掃除のお話からお伺いします。
         :Gさんは、大掃除は何処から始めましたか?
         →「まず、家の中をやる。それから家の廻り」
     「家廻りに、半月はかかちゃう」(Gさん)

    :皆さん、聞かれましたか。Gさんは、家の周りの大掃除に、半月はかかる
     そうです。
         →「部屋が沢山あれば、一日じゃ終わらない」(Eさん)
         →「まず、家の中をやって、それから外」
            「天井かなんかは、全部煤払い」(Aさん)


リーダー:大掃除の時の格好、こんな風でしたか?
    (割烹着の写真を回覧して見ていただく。他の割烹着の写真も回覧


            割烹着500トリム済.jpg      (写真1)


         →「掃除の恰好だ」、「懐かしい」、「今は着ない」などの発言あり。
    →「男は割烹着は着ない。これは着ないねえ」(Gさん)
 


         →「大掃除だから、煤払い(すすはらい)はやったよ」(Bさん)
    →「煤払いは、自分でやった」(Aさん)
         →「煤払いは主人がやった」(Bさん)
         →「竹で払った。自分で、真竹を切って、それでやった」(Eさん)

    :Bさん、Eさんは、真竹を切って、葉っぱで払ったそうです。
    →「煤払いやりましたよ」(Cさん)
         →「大掃除しないと、正月はこないよ」(Aさん)


    →「半月かけて、外回りの大掃除をした。外回りの煤払いもやります」(G
      さん)
         →「綺麗に掃き掃除する。大掃除をしないと来年がこない」(Fさん)


リーダー:農家の方は、、年度末の大掃除どうされましたか。
    →「やりましたよ」(Cさん)
    :旦那さんも、頑張って大掃除されましたか。
    →「旦那はやらない」(Cさん)
         →「うちの旦那も、家の中はやらない」
     「外回りは、やってくれた」(Bさん)
    →「家の中は、女、外は男」(Eさん)

         :Cさんが「旦那さんはやらない」と言われたので、びっくりしましたが、
     家の外はやられたんですね。
         →「外はやった」(Cさん)
         →「家の中は、女性。外の高いところは旦那」(と皆さん)

         :旦那さんの出番が少ないですね
    →「旦那は、勤め(つとめ)があるから、あんまり手伝わない」(Aさん)
    :Aさん、一人で大変でしたね。
    →「その方がいいの。後で、ご苦労さまと言わなくていいから」(Aさん)
         :じゃあ、旦那さんは、勤めから帰って、綺麗になった家を見て、
     ご苦労さまと言ってくれなかったのですか?
    →「何も言わなかった。平気だよ」
     「そんなに褒められるほど、やらないから」(Aさん)


リーダー:Aさんは、旦那さんがお勤めで、大掃除できない、自分一人でやったそう
     です。
    :でも、「そっちの方が良かった。気を使わないで」とい言われました。
    :Dさんは、如何でしたか?
    →「自分で、やっていた」(Dさん)
    →「女は自分でやるしかないのよ」(Aさん)

         :Fさんは、お店をやってられましたが、商店の大掃除はどうしてましたか?
    →「自分ではやらない、出入りの人がやっていた」
     「お店は、2日。奥座敷は3日かかった」(Fさん)

リーダー:お店は2日かかったそうです。奥座敷に3日間かかったのは、すごく大き
     な家だったんですね。
    →「我が家は半日かな」(コ・リーダー①)
     「家の中の座敷は、あんまり散らかってないから、そんなに時間はかから
      ない」(Bさん)


リーダー:子供の頃、大掃除のお手伝いやられました?
    →「昔は、農家はそんなに大掃除といって、やらなかった」(Bさん)
         :子供まで、手伝え、と言われなかった。そうです。


リーダー:こんなの被りましたか?
    (豆絞りの手拭を出して、皆さんに手に取っていただく)


            手拭690.jpg


    ⇑ 模様は「米粒」の形。「豆しぼり」でなく「米しぼり」の手拭いを用意。


リーダー:豆絞りの手拭(てぬぐい)です。私の母親は、格好良く、被っていた。
           :どうやって、被(かぶ)るのですか。
           →「こうやって、後ろに、持って行って」(Eさん)
           →「それでいいよ」(Bさんも自分で被る

    →「こうするんだよ」などと、「姉さん被り(あねさんかぶり)」をする方も
     いて、わいわいがやがやしながら、皆さんに手に取っていただく。
         
(女性は、掃除の時には手拭で「姉さん被り」をして、埃(ほこり)がかから
     ないようにしていたようです)


    (ほうき)を出して、見ていただく) 
    →「箒(ほうき)は、長いのと、短いのとあるよ」(Bさん)
    →「これ私の家から持ってきました。もう何十年と使ってます」
     (コ・リーダー②)


            箒2本720.jpg    


        →「自分の家にもあります」
     「自分でやる。毎年の大掃除、自分でやる」(Gさん)


    →「叩き(はたき)も使った。叩きは、先がちょん切れる」
     「パタパタすると、先がちょん切れて、半分くらいになっちゃう」
     (Aさん)


  リーダー:こういうの持つと、やる気になりますね。
    →「昔はみんな箒(ほうき)、これだよ」(Bさん)
    
→「この箒で、天井も払った」
            「蜘蛛の巣なんかも」(Aさん)

    :Cさんは、箒(ほうき)は使いましたか?
    →「使ったよ。使わなくちゃ、掃除できない」(Cさん)


リーダー:12月になると、大掃除の前にやることがありました。
    :急に、お掃除から、お話が変わりますが、12月の初めにすること。
    :これは、昔も、今も、変わらないと思います。
    →「12月に入ったら、すぐやるんだって」、「何だろう」などの発言あり。
                                    
    (年賀状の写真をテーブルに置く)


    年賀状②690.jpg


    年賀状①690.jpg


    (皆さんに、年賀状を手に取って見ていただく)
    →「書きました」(Dさん)
           →「筆で書いてある。百姓は、筆で書かない」(Gさん)


    →「うちは、主人が字が上手なんで、主人が書いていた」(Bさん)
コ・リーダー①:皆さん、聞いてください。Bさんの旦那さんのこと。
           →「主人が字が上手なんで、年賀状も筆で書いてた」(Bさん)
            「墨をすって、書いてたよ」
     「兵隊に行って、字が上手だったんで、字を書いていた」(Bさん)

    
    →「Bさんの旦那さんは、字が上手だったそうです」
     「兵隊で、字を書く仕事をしてたんだって」(コ・リーダー①)
    →「私は、字が下手だった。だから、字を書くのが嫌だった」
     「主人が全部書いていた」(Bさん)


    →「うちのも、そうだよ。字が上手で、賞状を書いてた」(Aさん)
リーダー:私は字が下手なので、自分の書いた字を見るのが嫌だった。
    :皆さんの旦那さんは、字が上手でうらやましい。


           →「うちも、旦那の方が字が上手。私は駄目」(Cさん)
           :Fさんは、字は上手ですか?
    →「字は下手だよ」(Fさん)
            「下手だけど、自分で年賀状は書いてた」
     「下手だから、習った」(Fさん)


リーダー:今、皆さんの言われたことをまとめます。
    :皆さんの旦那さんは字が上手。ご自分は、上手じゃなかった。 
    :Bさんの旦那さんが、硯で墨を擦りながら、筆で年賀状を書いているのは
     良い雰囲気だったでしょうね。
           →「Bさんの旦那さんは器用ですね。大掃除も手伝ってくれるし、申し分の
       ない旦那さんですね」(コ・リーダー②)


    :Bさんはご自分の年賀状も、旦那さんに書いてもらったんですか?
    →「私は、年賀状は出さない。旦那が出した」(Bさん)
    →「私も自分の名前は書かないよ」(Aさん)
    →「昔は、所帯主のお名前だけ。だったのですか」(コ・リーダー②)
    →「父親の名前だけ」(Fさん)


    :今の時代は、家族全員の名前。犬や猫まで、一緒に登場する年賀状も。
    :旅行に行ってきた記念写真のような年賀状もありますが、昔は、旦那さん
     だけ、代表で。
           :今でも、筆で書いている年賀状も少しありますが、良い雰囲気ですね。
     心をこめて書いていると分かるような気持に。
    →「Bさん、Aさん、Cさん、Fさん、皆さんの旦那さんは、心こめて書い
     てたんだ」(コ・リーダー②)


リーダー:では、年賀状を書き終わった後は、何をしますか?
    :この写真に答えがあります。


    (「猫と炬燵(こたつ)の写真、皆さんの手に取って,見ていただく)


    phoac炬燵tetsuyaさん.jpg (写真2)


    炬燵と猫2 (足成2).jpg (写真3)
    :答えを分かった方も、まだ言わないで、回してください。


           →「猫が写ってるね。猫だから、何するのかな」(Dさん)
    :年賀状を書いてから、大掃除の前、にすることです。
           :お分かりの方がいらっしゃいます。12月になって寒くなると出します。
     →「炬燵(こたつ)かな」の答えがある。


           →「私は、もう炬燵(こたつ)を出してる」(Aさん)
    :Aさんは、こたつは11月の仕事で、もう出しているそうです。(笑)
    →「こたつ、眠くなっちゃう」(Aさん)
           →「猫もこたつで丸くなる」(コ・リーダー①)


           →「家は掘りごたつ(注1)だった」(Fさん)             
           :Fさんの家は、掘りごたつだったそうです。
           :小さな子供の頃は、こたつの中に立ったりして、遊びましたか?
    →「やらない。やったことない」(Fさん)


    →「うちもそうだよ。掘りごたつ」(Bさん)
    :こたつは、何で暖めてましたか?
    →「家は電気。新しい家は電気にした」(Bさん)
           →「うちは炭だった。こたつの中に炭いれて」                 

     「金網をかぶせて、火傷(やけど)しないように」(Eさん)


    →「50年ほど前に、家を建て替えた。その時、大工さんが作ってくれた」
     「新しい掘りごたつ。主人が買ってきた」(Bさん)
     「炭も焼いていたから、いくらでもあったけど、電気の方がいい、と主人
      が言って、買ってきた」(Bさん)
    →「Bさんのご主人は、よく頑張りますね」(コ・リーダー②)
    →「うちは、堀ごたつだった。炭の」(Fさん)


リーダー:Bさんは、炭を焼いていていくらでもあったけど電気こたつだそうです。
    :Fさんは、炭を売っていたから、いくらでもあったそうです。
    :Cさんは、炭作ってましたか?
    →「作ってた。うちもこたつは掘りごたつ」(Cさん)
    →「炭は作ってなかったが、炭の掘りこたつだった」(Dさん)
    →「私のところも、掘りこたつ。炭の」Aさん)
    →「炭でなく、豆炭(まめたん)も使った注2」(Eさん)     
    (「そうそう豆炭、そんなのもあった」と皆さんわいわいがやがや)


リーダー:農家では、掘りごたつの他に、囲炉裏(いろり)はありましたか
           →「農家だったから、囲炉裏はあったよ」(Gさん)  
    →「家立てる前は、囲炉裏はあった。新しい家は無かった」(Bさん)

           :やかんは載せていましたか?                                  
           →「やかんでなく、鉄瓶(てつびん)(注3)」(Gさん)         


    →「火鉢(ひばち)も使ってたよ。火鉢は、炭でやってた」(Bさん)
    →「火鉢はあったが、もう使う時代でない。炭もないので、しまう場所に困
     って、縁の下にしまっちゃった(注4)」(A)

         :昔は、小さな火鉢に火を入れて、部屋に運んで、温まっていましたね。


    (急に火事の話に)
    →「火鉢の火で、火事になった家がある」(Cさん)
     「近所の家が火事に。怖かった」
     「自分の家も、火事になりかけたが、気がついて消したので、家は大丈夫
      だった。危なかった」(Cさん)


    :近所の火事は怖いですね。近所の家が火事になった方は?
    →「ある。子供の頃。近所の家が。怖かったよ」(Bさん)
     「夜。怖かったよ。近くの家。真っ赤になって、火の粉が飛んできて、
      ひどかった」
     「外が真っ赤なので、扉を開けたら、真っ赤な火。家の周りを、提灯つけ
      て、火の粉がないかどうか、見て歩いていた」(Bさん)


    →「火事は怖いよ。足がガタガタして、歩けない」(Cさん)
         →「火の用心。昔は拍子木(ひょうしぎ)をたたいて、町内を回っていたね」
     (Eさん)


リーダー:年末にやること、これは何の写真でしょうか?
        (障子を子供が破いている写真を回覧)


    障子と子供690修整.jpg (写真4)


    (次に、赤ちゃんが障子を破いている写真を回覧)
    


69bec9a4e2871088eda7f816f3408384_m.jpg (写真5) 


    →「障子貼(しょうじはり)だ。毎年やった」
     「洗って、濡らして、剥がして」(Eさん)

    :障子貼は、大掃除の前にしますか。後ですか。
    →「前、12月の初め」(Fさん)


    →「皆さん、Bさんは、二人で引っ張り合って貼ったそうです」(コ・リー
      ダー①)

    :誰と引っ張り合ったのですか?
    →「旦那さんと、引っ張りあったそうです」(コ・リーダー①)
         →「昔は1段ずつ、障子紙を伸ばして貼った」(Bさん)
          「二人でやらないと、上手にできない」(Bさん)
    →「今は、障子と同じ大きさの紙があるから、そのまま貼れる。昔の和紙は、
      幅が狭かった」(コ・リーダーー①)
         →「うちは、お母さんとお婆さんでやってた」(Cさん)


    →「うちの旦那と自分も、引っ張り合った。やったよ」(Aさん)
    :呼吸は合いましたか?、
    →「なんとか、かんとか、やってた」
     「一人になってからは、やれない」(Aさん)


    :Dさんは、障子貼はやりましたか?
    →「やらないね。ガラスがあるから」(Dさん)
    :そうですか。都会ではガラス戸だから、やらないのですね。
    →「ガラスは貼れない」(Dさん)


リーダー:障子貼をした後に、大掃除。
    :そして、最後にしなければならないのは何ですか?
    :これをしなければ、年は越せませんね。
    (餅つきの写真、搗(つ)いた後の丸いお餅の写真などを回覧する)
    (「こんな臼だった」、「きれいなお餅」など、写真を見ながらわいわいがや
     がや)


    餅を丸くphac650.jpg (写真6)


リーダー:皆さん、こんな臼で搗(つ)いてましたか?


    餅つき木の臼phacオハヨー様.jpg (写真7)
    →「最初は、こんな臼で搗(つ)いてた。その後は精米機でついた」
     「親が精米器を買ってからは、臼では搗(つ)かない」(Bさん)
    →「やりましたよ。昔は、こんな臼で搗(つ)いたよ」
     「今は電気で」(Gさん)


    →「暮れに搗(つ)いたお餅は、お供えにした」(Fさん)
    →「搗(つ)きたての餅は、その場で食べる」(コ・リーダー②)
         →「搗(つ)きたてのお餅は、お醤油につけて食べた」(Aさん)
         →「餡子(あんこ)に入れて食べると美味しい」(コ・リーダー②)
    →「大根おろしをかけて食べると美味しい」(Dさん)

    :「しょっぱい派」と「甘い派」に分かれましたね。


    →「搗(つ)きたてのお餅は、美味しい」(Eさん)
    (「お餅は搗きたてが美味しい」と、皆さん賛同)
リーダー:餅つきの湯気と、匂い。懐かしいですね。
    →「子供の頃、搗(つ)いたお餅を早く丸めたかった」(コ・リーダー①)
    →「蒸籠(せいろ)だと4升(しょう)は炊ける」(Bさん)
            「丸い蒸籠(せいろ)になったら、4升も炊けるのがなくなっちゃった。
      今は3升しか炊けないんじゃないかな」(Bさん)


     蒸籠phac.jpg (写真8)


      ⇑ 丸い蒸籠(せいろ)


    →「お餅つく日、28日と決まっていた。8は末広がり」(Eさん)
    →「大安についた」(コ・リーダー①)
    →「もう、できないよ。腰が痛くて。ひっくりかえすのも、大変」(Aさん)
    →「東京でも、お餅つきはやった」(Dさん)
    →「もう餅つきしないから、臼はお寺に奉納した」(Eさん)


    →「搗いたお餅は、丸めた。後で焼くのが大変だから、薄くして丸めた」(E
      さん)
    →「うちは、四角く延ばしてた(注5)」(Dさん)

     (搗いたお餅は、丸くした方と、四角い型の箱に延ばして入れ、後で小さく
      切って食べる方と、家(地方)によって違ったようでした)   

    →「伸ばした餅は、固くなって切れない」(Eさん)      


    :お餅は、どうやってして保存しておきましたか?
         →「昔は、冷蔵庫がないので、水で冷やしておく」(Bさん)
     「そうしないと黴(かび)ちゃう」
     「お餅は、水に入れておいて、水をとり変える。そうしないと腐っちゃう」
     (Bさん)
    →「お餅は水に。柔らかくなるので食べやすい。でも、あまり長くはおけな
      い」(Eさん)
    →「水は毎日取り換える」(Bさん)
      (「大変だね」、「それしないと、臭くなる」などの発言あり)
           →「大きな桶に入れて、水餅にして。2月になっても大丈夫」(Bさん)
           →「うちはかめ(甕)に入れて、水餅にした」(Eさん)


    :平たく伸ばしたお餅は、水につけないで、そのままでも長持ちしたような
     記憶がありますが?
           →「硬くなって、切れなくなるよ」
     「お餅がまだ柔らかいうちに、小さく切っておく」(Eさん)


リーダー:お餅つきも終わりましたので、いよいよ大晦日です。
    :では、お餅を食べながら、紅白歌合戦を見ている気分になっていただいて、
     お茶の時間に。 


<座直り>
(終了後も、お茶を飲みながらの雑談の中で、印象に残ったお話がありましたので記
  します)


・Bさんのお話
→「戦争で疎開(そかい)してきた人が良く手伝ってくれた。餅つきなんかを、毎年
 手伝ってくれた」
→「忙しいときには、仕事を頼んだ。本当によくやってくれた。小柄な人だったけど、
  今でも感心している」
→「偶(たま)には、お米をあげたり、よくやってくれた」
→「納屋(なや)を建て替えるとき、「納屋の材木をあげるか」と聞いたら「貰う」
  というのであげたら、川で綺麗に洗って、自分の家の母屋(おもや)に使った」
→「古くても、洗うと新しい材木のようになって、それで家を建てた」
→「古い材木は、燃すのも大変だから、よかった」

(「昔の材木は、ちゃんとしている」と、皆さん相づち)
(Bさんは、疎開してきた人の思い出を、嬉しそうに話されました。口調にも力が入
 りました)


・紅白歌合戦のお話
→「大晦日は、紅白歌合戦、昔は見たけど、今は見ない」
 「今の歌は、難しい。分かんない」(皆さん)


・クリスマスのお話
→クリスマスのお話が出ましたので、用意しておいたクリスマスの写真を回覧。
 


 クリスマス①.jpg             (「photo AC」さんのサイトより)


 クリスマスツリー500phac.jpg                    (「photo AC」さんのサイトより)
                                               →クリスマスについて、あれこれと雑談。「今、靴下にプレゼントを入れてくれる
 なら、現金が良い。それで孫たちに何か買ってあげることができる」という発言
 あり。

 (「きよしこの夜」を歌う)


・Aさんは、歌詞を覚えていて、歌詞カードを見ないで歌う。綺麗な声で高音までも
 楽々と歌われる。
 (皆さんが「Aさん凄いですね」と称賛。「家でも歌われるのですか?」の質問に)
→「家で一人でいると、歌を歌うと変に思われるので、家では歌わない」
 「ここでは大きな声で歌っても大丈夫だから」


・冬の季節の歌を歌って、座直りも終了しました。                             →「お正月」の歌(「もういくつ寝ると、お正月・・」)を歌う。
→「雪」の歌(「雪やこんこん、あられやこんこん・・・」)を歌う。
→「たき火」(「垣根の垣根の曲がり角、たき火だ、たき火だ・・・」)を歌う。


<回想法を振り返って>
1)当初は「進行予定」に記した順番を考えており、12月の初旬→中旬→大晦日と
  日付順に話を進めたかったが、そのような順番にならなかったのは残念でした。
 →「12月に入ったら、まず、何から始めますか?」という質問に、「大掃除」と
  「お餅つき」のお答えだけだったので、やむおえなかったのですが。

2)大掃除や年賀状のお話の中に、旦那さんの登場する場面が何度もあり、旦那さん
  がその場にいるような口調で話されている、と感じる時もありましたので、良か
  ったと思いました。
3)今日の歌は、歌い始めると、歌詞カードを見ないで歌える方もおり、昔はよく歌
  っておられたことが分かりました。                                            
4)今回、この「師走」をテーマにした回想法のノートを書きながら、高齢者の方々
  にとっては生活必需品であった掘り炬燵(こたつ)、豆炭(まめたん)などは、
  今の若い世代の殆どの方は、使うことも見ることもなく生活されてきたのではな
  いか、ということに気付きました。
5)そのように思いましたので、昔(昭和30年代くらいまで)は生活必需品でした
  が、現在ではあまり見かけなくなったものについて、(注)をつけました。


                            (リーダー:石川)


<注記>
(注1)掘り炬燵(ほりごたつ)
 ・写真のように、足元を低くして、椅子のように足が下せますので楽です。


  掘り炬燵A.png  ⇐炬燵の中は下の写真に


      掘り炬燵B476.jpg ⇐足を下すことができます。



(注2)豆炭(まめたん)
 ・石炭や木炭など10種類以上の素材を,約5センチくらいの大きさに丸めたもの。
  普通の炭よりも扱いやすいので、現在でも携帯用燃料として販売されているよう
  です。

  wiki豆炭wikipedia - コピー.jpg(「wikipedia」より)


(注3)囲炉裏(いろり)と鉄瓶(てつびん)
 ・昔の農家には囲炉裏があり、鉄瓶がかかっていてお湯が沸いていました。
  
囲炉裏と鉄瓶あしなり.jpg(「写真素材 足成」さんのサイトより


(注4)火鉢(ひばち)
 ・中に灰(「はい」と呼ばれる木などの燃えかす)を入れその上に炭を載せました。
 ・小さな火鉢なら、運ぶことができました。

  火鉢②690.jpg (wikipediaより)


  火鉢①690.jpg (wikipedia」より)


(注5)お餅について
 ・搗(つ)いたお餅を、丸めて保存する方と、四角く切って保存する方と、地方に
  よって異なるようです。
 ・四角いお餅は、搗(つ)いたら「伸し餅(のしもち)」に延ばしておき、少し固
  まって切りやすくなった頃に、食べやすい大きさに切ります。


  熨し餅①.jpg 


  ⇑「伸し餅(のしもち)」(「小竹食品」さんのサイトより)


 ・伸し餅(のしもち)を切って「切り餅」に。


  切り餅phac650.jpg


  ⇑切り餅(「photo AC」さんのサイトより)


<写真について>
・文中に引用させていただいた写真には引用元を記しました。
・いずれも、無料での使用許可を明記している写真素材サイトと、企業のカタログ写真
 から(許可を得て)引用させていただいております。                       ・(写真①)~(写真⑧)につきましては以下の通りです。                  
写真1)割烹着(かっぽうぎ)
 ・「KOMESICHI(株式会社米七)」さんのサイトより。
(写真2)猫と炬燵(こたつ)
  ・「photo AC」さんのサイトより。
(写真3)猫の寝姿
 ・「写真素材 足成」さんのサイトより。
(写真4)障子(しょうじ)と子供の笑顔
 ・「photo AC」さんのサイトより。
(写真5)障子と赤ちゃん
 ・「photo AC」さんのサイトより。
(写真6)お餅を丸める
 ・「photo AC」さんのサイトより。
(写真7)木の臼で餅つき
 ・「photo AC」さんのサイトより。
(写真8)丸い蒸籠(せいろ)
 
・「photo AC」さんのサイトより。


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