冬のノート [冬:師走]
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<テーマの目的>
テーマ:師走
目 的:もうすぐ年末です。12月になりますと、年越しやお正月の準備で忙しくな
ります。「師走」とも呼ばれていたように、参加者の皆さんも走り回ってお
られたと思います。
師走にはどんなことをされていたのか、今のように便利でなかった頃のお話
をしていただきます。
<実施日と参加者>
実施日:11月下旬
場 所:グループホーム(デイサービス併設)
実施者:リーダー1名、コ・リーダー2名
参加者:7名(90才台女性5名と80才台男性1名は要介護2~4、80才台女性
1名)
<参加者への配慮>
・お元気だが遠慮気味の方は、リーダーが意識的に指名し、コ・リーダーはその方が
発言しやすようにサポートする。
・お元気な方でも、聞いている(聞こえている)ように見えても、そうでない時が多
くあるようなので、集中していただけるように話題に沿った問いかけを適宜行う。
・着座を続けることが苦手な方は、ご様子を見ながらが声かけを行い、時には発言を
うながし、楽しんで参加していただけるようにサポートする。
・片側のみ、かろうじて聞くことが可能な方には、コ・リーダーが聞こえる側に座り、
筆談によりコミュニケーションをとりながら、口頭でも話題を伝えてサポートする。
<進行予定>
1)12月になったら、まず最初にどんなことをされたか、お話していただく。
2)話題は、実際に実施されていた順番に(以下のような順で)お話いただく。
①年賀状を書く ②炬燵(こたつ)やストーブなど暖房の準備 ③大掃除
④障子の張替 ⑤年越しの餅つき
3)最後に、年越しの準備が終わり、大晦日には、紅白歌合戦を見て、除夜の鐘を聞
き、年越し蕎麦を食べ、「来年も良い年を迎えられるように、がんばりましょう」
という雰囲気で終了する。
<用意した道具>
1)「師走」と大きく書いた文字
2)室内用の箒(ほおき)
3)豆絞りの手ぬぐい(2本)
4)話題としてとりあげるテーマの写真
(写真は、インターネットの「写真サイト(無料)」などから、引用させていただ
きました。詳細は後記しました)
①割烹着(かっぽうぎ) ②年賀状 ③炬燵(こたつ) ④障子貼り ⑥餅つき
5)歌詞カード
(「きよしこの夜」、「たき火」、「雪」、「お正月」の歌詞)
<実際の進行>
リーダー:11月も終わりに近づきました。来月は12月。
:12月の次は、何月でしょうか。
→「1月」、「お正月」(などの発言あり)
:12月は、別の呼び名もありますが、何と呼びましたか?
→「しわす」(Aさん)
→Aさんが「しわす」と言われました。師走はこんな字を書きました。
→「師走」の文字を見ていただく。
Fさん :お師匠さんが走るほど、忙しいから、師走と言う。
リーダー:この「師」は「お師匠さん」だそうです。お師匠さんは先生ですね。
:偉い先生は、普段はどっしりと座っているのに、そんな偉い先生も走り回
るほど忙しい月のようです。
Aさん :そう、先生も走り回るほど、忙しい。
→皆さん、師走の忙しさについて、ワイワイがやがや。
リーダー:師走は、いろいろと忙しい月です。年越しの準備、新年の準備。
:そこで、少し気が早いですが、今日は、12月に入ってから、慌てないよ
うに、年越し、と、新年の準備についてお話していただきます。
よろしくお願いいたします。
リーダー:師走のお仕事を、あれこれと思い浮かべられたと思いますので、お聞きし
ます。
リーダー:皆さん、12月に入ったら、まず、何から始めますか?
→「大掃除」(Aさん) リーダー:Aさんは、大掃除をするそうです。毎日のお掃除は毎日やってますので、
1年間の大掃除をするそうです。
→「餅つき」(Bさん)
:大掃除、と餅つき、どちらが先ですか?
→「大掃除」(Fさん)
→「餅つき」(Bさん)
:大掃除が先か、餅つきが先か、それぞれ家によって違うようです。
→「大掃除が先」(Cさん)
→「餅をついてから、大掃除」(Dさん)
→「餅ついてからでは、掃除のごみが餅に入る」(Aさん)
→「蓋をしておけば、大丈夫」(Dさん)
→「うちは、大掃除をしてから、餅つき。餅はお父さんがついていた」(E
さん)
→「やっぱり、大掃除やってから」(Gさん)
リーダー:大掃除をしてからお餅つきの方が多いようですね。
:では、大掃除のお話からお伺いします。
:Gさんは、大掃除は何処から始めましたか?
→「まず、家の中をやる。それから家の廻り」
「家廻りに、半月はかかちゃう」(Gさん)
:皆さん、聞かれましたか。Gさんは、家の周りの大掃除に、半月はかかる
そうです。
→「部屋が沢山あれば、一日じゃ終わらない」(Eさん)
→「まず、家の中をやって、それから外」
「天井かなんかは、全部煤払い」(Aさん)
リーダー:大掃除の時の格好、こんな風でしたか?
(割烹着の写真を回覧して見ていただく。他の割烹着の写真も回覧)
→「掃除の恰好だ」、「懐かしい」、「今は着ない」などの発言あり。
→「男は割烹着は着ない。これは着ないねえ」(Gさん)
→「大掃除だから、煤払い(すすはらい)はやったよ」(Bさん)
→「煤払いは、自分でやった」(Aさん)
→「煤払いは主人がやった」(Bさん)
→「竹で払った。自分で、真竹を切って、それでやった」(Eさん)
:Bさん、Eさんは、真竹を切って、葉っぱで払ったそうです。
→「煤払いやりましたよ」(Cさん)
→「大掃除しないと、正月はこないよ」(Aさん)
→「半月かけて、外回りの大掃除をした。外回りの煤払いもやります」(G
さん)
→「綺麗に掃き掃除する。大掃除をしないと来年がこない」(Fさん)
リーダー:農家の方は、、年度末の大掃除どうされましたか。
→「やりましたよ」(Cさん)
:旦那さんも、頑張って大掃除されましたか。
→「旦那はやらない」(Cさん)
→「うちの旦那も、家の中はやらない」
「外回りは、やってくれた」(Bさん)
→「家の中は、女、外は男」(Eさん)
:Cさんが「旦那さんはやらない」と言われたので、びっくりしましたが、
家の外はやられたんですね。
→「外はやった」(Cさん)
→「家の中は、女性。外の高いところは旦那」(と皆さん)
:旦那さんの出番が少ないですね
→「旦那は、勤め(つとめ)があるから、あんまり手伝わない」(Aさん)
:Aさん、一人で大変でしたね。
→「その方がいいの。後で、ご苦労さまと言わなくていいから」(Aさん)
:じゃあ、旦那さんは、勤めから帰って、綺麗になった家を見て、
ご苦労さまと言ってくれなかったのですか?
→「何も言わなかった。平気だよ」
「そんなに褒められるほど、やらないから」(Aさん)
リーダー:Aさんは、旦那さんがお勤めで、大掃除できない、自分一人でやったそう
です。
:でも、「そっちの方が良かった。気を使わないで」とい言われました。
:Dさんは、如何でしたか?
→「自分で、やっていた」(Dさん)
→「女は自分でやるしかないのよ」(Aさん)
:Fさんは、お店をやってられましたが、商店の大掃除はどうしてましたか?
→「自分ではやらない、出入りの人がやっていた」
「お店は、2日。奥座敷は3日かかった」(Fさん)
リーダー:お店は2日かかったそうです。奥座敷に3日間かかったのは、すごく大き
な家だったんですね。
→「我が家は半日かな」(コ・リーダー①)
「家の中の座敷は、あんまり散らかってないから、そんなに時間はかから
ない」(Bさん)
リーダー:子供の頃、大掃除のお手伝いやられました?
→「昔は、農家はそんなに大掃除といって、やらなかった」(Bさん)
:子供まで、手伝え、と言われなかった。そうです。
リーダー:こんなの被りましたか?
(豆絞りの手拭を出して、皆さんに手に取っていただく)
⇑ 模様は「米粒」の形。「豆しぼり」でなく「米しぼり」の手拭いを用意。
リーダー:豆絞りの手拭(てぬぐい)です。私の母親は、格好良く、被っていた。
:どうやって、被(かぶ)るのですか。
→「こうやって、後ろに、持って行って」(Eさん)
→「それでいいよ」(Bさんも自分で被る)
→「こうするんだよ」などと、「姉さん被り(あねさんかぶり)」をする方も
いて、わいわいがやがやしながら、皆さんに手に取っていただく。
(女性は、掃除の時には手拭で「姉さん被り」をして、埃(ほこり)がかから
ないようにしていたようです)
(箒(ほうき)を出して、見ていただく)
→「箒(ほうき)は、長いのと、短いのとあるよ」(Bさん)
→「これ私の家から持ってきました。もう何十年と使ってます」
(コ・リーダー②)
→「自分の家にもあります」
「自分でやる。毎年の大掃除、自分でやる」(Gさん)
→「叩き(はたき)も使った。叩きは、先がちょん切れる」
「パタパタすると、先がちょん切れて、半分くらいになっちゃう」
(Aさん)
リーダー:こういうの持つと、やる気になりますね。
→「昔はみんな箒(ほうき)、これだよ」(Bさん)
→「この箒で、天井も払った」
「蜘蛛の巣なんかも」(Aさん)
:Cさんは、箒(ほうき)は使いましたか?
→「使ったよ。使わなくちゃ、掃除できない」(Cさん)
リーダー:12月になると、大掃除の前にやることがありました。
:急に、お掃除から、お話が変わりますが、12月の初めにすること。
:これは、昔も、今も、変わらないと思います。
→「12月に入ったら、すぐやるんだって」、「何だろう」などの発言あり。
(年賀状の写真をテーブルに置く)
(皆さんに、年賀状を手に取って見ていただく)
→「書きました」(Dさん)
→「筆で書いてある。百姓は、筆で書かない」(Gさん)
→「うちは、主人が字が上手なんで、主人が書いていた」(Bさん)
コ・リーダー①:皆さん、聞いてください。Bさんの旦那さんのこと。
→「主人が字が上手なんで、年賀状も筆で書いてた」(Bさん)
「墨をすって、書いてたよ」
「兵隊に行って、字が上手だったんで、字を書いていた」(Bさん)
→「Bさんの旦那さんは、字が上手だったそうです」
「兵隊で、字を書く仕事をしてたんだって」(コ・リーダー①)
→「私は、字が下手だった。だから、字を書くのが嫌だった」
「主人が全部書いていた」(Bさん)
→「うちのも、そうだよ。字が上手で、賞状を書いてた」(Aさん)
リーダー:私は字が下手なので、自分の書いた字を見るのが嫌だった。
:皆さんの旦那さんは、字が上手でうらやましい。
→「うちも、旦那の方が字が上手。私は駄目」(Cさん)
:Fさんは、字は上手ですか?
→「字は下手だよ」(Fさん)
「下手だけど、自分で年賀状は書いてた」
「下手だから、習った」(Fさん)
リーダー:今、皆さんの言われたことをまとめます。
:皆さんの旦那さんは字が上手。ご自分は、上手じゃなかった。
:Bさんの旦那さんが、硯で墨を擦りながら、筆で年賀状を書いているのは
良い雰囲気だったでしょうね。
→「Bさんの旦那さんは器用ですね。大掃除も手伝ってくれるし、申し分の
ない旦那さんですね」(コ・リーダー②)
:Bさんはご自分の年賀状も、旦那さんに書いてもらったんですか?
→「私は、年賀状は出さない。旦那が出した」(Bさん)
→「私も自分の名前は書かないよ」(Aさん)
→「昔は、所帯主のお名前だけ。だったのですか」(コ・リーダー②)
→「父親の名前だけ」(Fさん)
:今の時代は、家族全員の名前。犬や猫まで、一緒に登場する年賀状も。
:旅行に行ってきた記念写真のような年賀状もありますが、昔は、旦那さん
だけ、代表で。
:今でも、筆で書いている年賀状も少しありますが、良い雰囲気ですね。
心をこめて書いていると分かるような気持に。
→「Bさん、Aさん、Cさん、Fさん、皆さんの旦那さんは、心こめて書い
てたんだ」(コ・リーダー②)
リーダー:では、年賀状を書き終わった後は、何をしますか?
:この写真に答えがあります。
(「猫と炬燵(こたつ)の写真、皆さんの手に取って,見ていただく)
(写真3)
:答えを分かった方も、まだ言わないで、回してください。
→「猫が写ってるね。猫だから、何するのかな」(Dさん)
:年賀状を書いてから、大掃除の前、にすることです。
:お分かりの方がいらっしゃいます。12月になって寒くなると出します。
→「炬燵(こたつ)かな」の答えがある。
→「私は、もう炬燵(こたつ)を出してる」(Aさん)
:Aさんは、こたつは11月の仕事で、もう出しているそうです。(笑)
→「こたつ、眠くなっちゃう」(Aさん)
→「猫もこたつで丸くなる」(コ・リーダー①)
→「家は掘りごたつ(注1)だった」(Fさん)
:Fさんの家は、掘りごたつだったそうです。
:小さな子供の頃は、こたつの中に立ったりして、遊びましたか?
→「やらない。やったことない」(Fさん)
→「うちもそうだよ。掘りごたつ」(Bさん)
:こたつは、何で暖めてましたか?
→「家は電気。新しい家は電気にした」(Bさん)
→「うちは炭だった。こたつの中に炭いれて」
「金網をかぶせて、火傷(やけど)しないように」(Eさん)
→「50年ほど前に、家を建て替えた。その時、大工さんが作ってくれた」
「新しい掘りごたつ。主人が買ってきた」(Bさん)
「炭も焼いていたから、いくらでもあったけど、電気の方がいい、と主人
が言って、買ってきた」(Bさん)
→「Bさんのご主人は、よく頑張りますね」(コ・リーダー②)
→「うちは、堀ごたつだった。炭の」(Fさん)
リーダー:Bさんは、炭を焼いていていくらでもあったけど電気こたつだそうです。
:Fさんは、炭を売っていたから、いくらでもあったそうです。
:Cさんは、炭作ってましたか?
→「作ってた。うちもこたつは掘りごたつ」(Cさん)
→「炭は作ってなかったが、炭の掘りこたつだった」(Dさん)
→「私のところも、掘りこたつ。炭の」Aさん)
→「炭でなく、豆炭(まめたん)も使った(注2)」(Eさん)
(「そうそう豆炭、そんなのもあった」と皆さんわいわいがやがや)
リーダー:農家では、掘りごたつの他に、囲炉裏(いろり)はありましたか
→「農家だったから、囲炉裏はあったよ」(Gさん)
→「家立てる前は、囲炉裏はあった。新しい家は無かった」(Bさん)
:やかんは載せていましたか?
→「やかんでなく、鉄瓶(てつびん)(注3)」(Gさん)
→「火鉢(ひばち)も使ってたよ。火鉢は、炭でやってた」(Bさん)
→「火鉢はあったが、もう使う時代でない。炭もないので、しまう場所に困
って、縁の下にしまっちゃった(注4)」(A)
:昔は、小さな火鉢に火を入れて、部屋に運んで、温まっていましたね。
(急に火事の話に)
→「火鉢の火で、火事になった家がある」(Cさん)
「近所の家が火事に。怖かった」
「自分の家も、火事になりかけたが、気がついて消したので、家は大丈夫
だった。危なかった」(Cさん)
:近所の火事は怖いですね。近所の家が火事になった方は?
→「ある。子供の頃。近所の家が。怖かったよ」(Bさん)
「夜。怖かったよ。近くの家。真っ赤になって、火の粉が飛んできて、
ひどかった」
「外が真っ赤なので、扉を開けたら、真っ赤な火。家の周りを、提灯つけ
て、火の粉がないかどうか、見て歩いていた」(Bさん)
→「火事は怖いよ。足がガタガタして、歩けない」(Cさん)
→「火の用心。昔は拍子木(ひょうしぎ)をたたいて、町内を回っていたね」
(Eさん)
リーダー:年末にやること、これは何の写真でしょうか?
(障子を子供が破いている写真を回覧)
(次に、赤ちゃんが障子を破いている写真を回覧)
→「障子貼(しょうじはり)だ。毎年やった」
「洗って、濡らして、剥がして」(Eさん)
:障子貼は、大掃除の前にしますか。後ですか。
→「前、12月の初め」(Fさん)
→「皆さん、Bさんは、二人で引っ張り合って貼ったそうです」(コ・リー
ダー①)
:誰と引っ張り合ったのですか?
→「旦那さんと、引っ張りあったそうです」(コ・リーダー①)
→「昔は1段ずつ、障子紙を伸ばして貼った」(Bさん)
「二人でやらないと、上手にできない」(Bさん)
→「今は、障子と同じ大きさの紙があるから、そのまま貼れる。昔の和紙は、
幅が狭かった」(コ・リーダーー①)
→「うちは、お母さんとお婆さんでやってた」(Cさん)
→「うちの旦那と自分も、引っ張り合った。やったよ」(Aさん)
:呼吸は合いましたか?、
→「なんとか、かんとか、やってた」
「一人になってからは、やれない」(Aさん)
:Dさんは、障子貼はやりましたか?
→「やらないね。ガラスがあるから」(Dさん)
:そうですか。都会ではガラス戸だから、やらないのですね。
→「ガラスは貼れない」(Dさん)
リーダー:障子貼をした後に、大掃除。
:そして、最後にしなければならないのは何ですか?
:これをしなければ、年は越せませんね。
(餅つきの写真、搗(つ)いた後の丸いお餅の写真などを回覧する)
(「こんな臼だった」、「きれいなお餅」など、写真を見ながらわいわいがや
がや)
リーダー:皆さん、こんな臼で搗(つ)いてましたか?
(写真7)
→「最初は、こんな臼で搗(つ)いてた。その後は精米機でついた」
「親が精米器を買ってからは、臼では搗(つ)かない」(Bさん)
→「やりましたよ。昔は、こんな臼で搗(つ)いたよ」
「今は電気で」(Gさん)
→「暮れに搗(つ)いたお餅は、お供えにした」(Fさん)
→「搗(つ)きたての餅は、その場で食べる」(コ・リーダー②)
→「搗(つ)きたてのお餅は、お醤油につけて食べた」(Aさん)
→「餡子(あんこ)に入れて食べると美味しい」(コ・リーダー②)
→「大根おろしをかけて食べると美味しい」(Dさん)
:「しょっぱい派」と「甘い派」に分かれましたね。
→「搗(つ)きたてのお餅は、美味しい」(Eさん)
(「お餅は搗きたてが美味しい」と、皆さん賛同)
リーダー:餅つきの湯気と、匂い。懐かしいですね。
→「子供の頃、搗(つ)いたお餅を早く丸めたかった」(コ・リーダー①)
→「蒸籠(せいろ)だと4升(しょう)は炊ける」(Bさん)
「丸い蒸籠(せいろ)になったら、4升も炊けるのがなくなっちゃった。
今は3升しか炊けないんじゃないかな」(Bさん)
⇑ 丸い蒸籠(せいろ)
→「お餅つく日、28日と決まっていた。8は末広がり」(Eさん)
→「大安についた」(コ・リーダー①)
→「もう、できないよ。腰が痛くて。ひっくりかえすのも、大変」(Aさん)
→「東京でも、お餅つきはやった」(Dさん)
→「もう餅つきしないから、臼はお寺に奉納した」(Eさん)
→「搗いたお餅は、丸めた。後で焼くのが大変だから、薄くして丸めた」(E
さん)
→「うちは、四角く延ばしてた(注5)」(Dさん)
(搗いたお餅は、丸くした方と、四角い型の箱に延ばして入れ、後で小さく
切って食べる方と、家(地方)によって違ったようでした)
→「伸ばした餅は、固くなって切れない」(Eさん)
:お餅は、どうやってして保存しておきましたか?
→「昔は、冷蔵庫がないので、水で冷やしておく」(Bさん)
「そうしないと黴(かび)ちゃう」
「お餅は、水に入れておいて、水をとり変える。そうしないと腐っちゃう」
(Bさん)
→「お餅は水に。柔らかくなるので食べやすい。でも、あまり長くはおけな
い」(Eさん)
→「水は毎日取り換える」(Bさん)
(「大変だね」、「それしないと、臭くなる」などの発言あり)
→「大きな桶に入れて、水餅にして。2月になっても大丈夫」(Bさん)
→「うちはかめ(甕)に入れて、水餅にした」(Eさん)
:平たく伸ばしたお餅は、水につけないで、そのままでも長持ちしたような
記憶がありますが?
→「硬くなって、切れなくなるよ」
「お餅がまだ柔らかいうちに、小さく切っておく」(Eさん)
リーダー:お餅つきも終わりましたので、いよいよ大晦日です。
:では、お餅を食べながら、紅白歌合戦を見ている気分になっていただいて、
お茶の時間に。
<座直り>
(終了後も、お茶を飲みながらの雑談の中で、印象に残ったお話がありましたので記
します)
・Bさんのお話
→「戦争で疎開(そかい)してきた人が良く手伝ってくれた。餅つきなんかを、毎年
手伝ってくれた」
→「忙しいときには、仕事を頼んだ。本当によくやってくれた。小柄な人だったけど、
今でも感心している」
→「偶(たま)には、お米をあげたり、よくやってくれた」
→「納屋(なや)を建て替えるとき、「納屋の材木をあげるか」と聞いたら「貰う」
というのであげたら、川で綺麗に洗って、自分の家の母屋(おもや)に使った」
→「古くても、洗うと新しい材木のようになって、それで家を建てた」
→「古い材木は、燃すのも大変だから、よかった」
(「昔の材木は、ちゃんとしている」と、皆さん相づち)
(Bさんは、疎開してきた人の思い出を、嬉しそうに話されました。口調にも力が入
りました)
・紅白歌合戦のお話
→「大晦日は、紅白歌合戦、昔は見たけど、今は見ない」
「今の歌は、難しい。分かんない」(皆さん)
・クリスマスのお話
→クリスマスのお話が出ましたので、用意しておいたクリスマスの写真を回覧。
(「photo AC」さんのサイトより)
→クリスマスについて、あれこれと雑談。「今、靴下にプレゼントを入れてくれる
なら、現金が良い。それで孫たちに何か買ってあげることができる」という発言
あり。
(「きよしこの夜」を歌う)
・Aさんは、歌詞を覚えていて、歌詞カードを見ないで歌う。綺麗な声で高音までも
楽々と歌われる。
(皆さんが「Aさん凄いですね」と称賛。「家でも歌われるのですか?」の質問に)
→「家で一人でいると、歌を歌うと変に思われるので、家では歌わない」
「ここでは大きな声で歌っても大丈夫だから」
・冬の季節の歌を歌って、座直りも終了しました。 →「お正月」の歌(「もういくつ寝ると、お正月・・」)を歌う。
→「雪」の歌(「雪やこんこん、あられやこんこん・・・」)を歌う。
→「たき火」(「垣根の垣根の曲がり角、たき火だ、たき火だ・・・」)を歌う。
<回想法を振り返って>
1)当初は「進行予定」に記した順番を考えており、12月の初旬→中旬→大晦日と
日付順に話を進めたかったが、そのような順番にならなかったのは残念でした。
→「12月に入ったら、まず、何から始めますか?」という質問に、「大掃除」と
「お餅つき」のお答えだけだったので、やむおえなかったのですが。
2)大掃除や年賀状のお話の中に、旦那さんの登場する場面が何度もあり、旦那さん
がその場にいるような口調で話されている、と感じる時もありましたので、良か
ったと思いました。
3)今日の歌は、歌い始めると、歌詞カードを見ないで歌える方もおり、昔はよく歌
っておられたことが分かりました。
4)今回、この「師走」をテーマにした回想法のノートを書きながら、高齢者の方々
にとっては生活必需品であった掘り炬燵(こたつ)、豆炭(まめたん)などは、
今の若い世代の殆どの方は、使うことも見ることもなく生活されてきたのではな
いか、ということに気付きました。
5)そのように思いましたので、昔(昭和30年代くらいまで)は生活必需品でした
が、現在ではあまり見かけなくなったものについて、(注)をつけました。
(リーダー:石川)
<注記>
(注1)掘り炬燵(ほりごたつ)
・写真のように、足元を低くして、椅子のように足が下せますので楽です。
(注2)豆炭(まめたん)
・石炭や木炭など10種類以上の素材を,約5センチくらいの大きさに丸めたもの。
普通の炭よりも扱いやすいので、現在でも携帯用燃料として販売されているよう
です。
(「wikipedia」より)
(注3)囲炉裏(いろり)と鉄瓶(てつびん)
・昔の農家には囲炉裏があり、鉄瓶がかかっていてお湯が沸いていました。
(「写真素材 足成」さんのサイトより)
(注4)火鉢(ひばち)
・中に灰(「はい」と呼ばれる木などの燃えかす)を入れその上に炭を載せました。
・小さな火鉢なら、運ぶことができました。
(wikipediaより)
(注5)お餅について
・搗(つ)いたお餅を、丸めて保存する方と、四角く切って保存する方と、地方に
よって異なるようです。
・四角いお餅は、搗(つ)いたら「伸し餅(のしもち)」に延ばしておき、少し固
まって切りやすくなった頃に、食べやすい大きさに切ります。
⇑「伸し餅(のしもち)」(「小竹食品」さんのサイトより)
・伸し餅(のしもち)を切って「切り餅」に。
⇑切り餅(「photo AC」さんのサイトより)
<写真について>
・文中に引用させていただいた写真には引用元を記しました。
・いずれも、無料での使用許可を明記している写真素材サイトと、企業のカタログ写真
から(許可を得て)引用させていただいております。 ・(写真①)~(写真⑧)につきましては以下の通りです。 (写真1)割烹着(かっぽうぎ)
・「KOMESICHI(株式会社米七)」さんのサイトより。
(写真2)猫と炬燵(こたつ)
・「photo AC」さんのサイトより。
(写真3)猫の寝姿
・「写真素材 足成」さんのサイトより。
(写真4)障子(しょうじ)と子供の笑顔
・「photo AC」さんのサイトより。
(写真5)障子と赤ちゃん
・「photo AC」さんのサイトより。
(写真6)お餅を丸める
・「photo AC」さんのサイトより。
(写真7)木の臼で餅つき
・「photo AC」さんのサイトより。
(写真8)丸い蒸籠(せいろ)
・「photo AC」さんのサイトより。