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運動会(要約編) [秋:運動会(要約編)]


・この「運動会(要約扁)」は、参加者の方とのやりとりの部分<進行の様子>
 は話題毎に要約しました。
・また、リーダー(とコ・リーダー)が  ”どのようなことを考えながら実施
 ていたか”を、なるべく多く記すようにしました。

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テーマ:運動会(要約編)


実施日:9月中旬
場 所:グループホーム
参加者:8名(全員入居者)
実施者:4名(施設スタッフ1名含む)


目 的:昔(大正・昭和の時代)は多くの学校で、秋が運動会の季節でした。
    娯楽の少なかった時代ですので、運動会は待ち遠しい行事の一つでした。
       校庭に持参の敷物を敷いて、家族揃ってお弁当を食べたことも楽しい想
     い出です。
     運動会をテーマに、お友達や先生、ご家族と過ごしてきたことを想い出
     してただくことにより、現在のご自分の心を支えていただくことを目的
     としています。


進行予定 ①「運動会では、どんな音や音楽がなっていましたか。」という問い
       かけをして、音から思い出していただく。
      
→まず「ピー」と体育用笛を吹いてから開始。
      →運動会に流れていた行進曲(軍艦マーチ)のメロディーを、初め
       の部分だけ歌って、音(聴覚)からも当時を思い出していただく。

     ②皆さんに「運動会が待ちどおしい人」だったのか、それとも「また
      なのと思う人」だったのか、問いかける。
      →「好きでしたか」(或いは、「嫌いでしたか」という問いかけでは
        「好き」「嫌い」という一言で発言が終わってしまうこともあり
       ます。その際に「どうしてですか?」という問いでは、質疑応答
       の硬い印象が生じることもあります。
      →導入の時には、質疑応答の雰囲気は少なめの方が良いように思っ
       たので、このような「柔らかい質問」にしました。  

 
     ③各人の紹介が終わり、運動会の具体的な話題に入る時にも行進曲の
      メロディーをもう一度歌う。

     ④小中時代の運動会の想い出を語っていただくだけでなく、「今、その
      時を振り返ってみてどう思われるのか」という視点でも考えていただく。

     ⑤今の生活を応援する雰囲気で終了できるように、実際に声を出して
      フレー、フレーと応援をして終了する。


道 具:①赤白帽
    ②ハチマキ(赤と白)
    ③ホイッスル(体育用の笛)

            体操帽子720.jpg


            ハチマキ720.jpg


            DSC03092.JPG         


<進行の様子>
1)導入について
  ①集中していただき、またリラックスしていただくために「和をもって尊し」
     の「和」と、笑いの「わ」と、大きな声で発声していただきました。
  
2)「運動会が待ちどおしい人」だったのか、それとも「またなのと思う人」だ 
    ったのか、問いかけについて
  ①「またなの」の方が多数
   →運動は苦手。楽しく拝見するけど、自分がやるのは苦手。運動神経ゼロ。
      →走るのも、踊るのもだめ。見るだけ。
   →個人競技はだめ、
   →皆んな一緒にやる玉入れは楽しかった。
       →徒競走は絶対出なければならなかった。
    遅くとも走らねば。いつもビリ。

  ②「待ち遠しい人」は2名。
   →太鼓の音を聞くとじっとしていられない。家が学校の前だったので、。
    笛と太鼓と、好きだった。

   →何で運動会が好きだったかと言えば、勉強しないですんだから。
    運動は好きではなかった。走るのも遅かったが。
    勉強がないから好きだった。

      ③応援は好き。
   →自分で「応援する」のが好きだった方と、「応援を見る」のが好きだっ
    た方と。

  ④学校の先生だった方は、集団行動をさせるのが好き。
   →「前にならえ」は、小さく前にならえ、大きく前にならえ、厳しくした。
        →部活対抗、クラス対抗をさせたが、自分のクラスが頑張ると嬉しい。
   →参観の父兄を、どう参加させるか。いろいろと大変だった。

    ⑤こんな発言も。
   →小学3年で肺炎に、死にかけたが、90年頑張った。まだ頑張っている。
     (「○○さんは、小学3年で肺炎にかかって死にかけたましたが、今まで
    90年間も頑張ってこられ、まだ頑張っておられるんですって」と確認)

  ⑥小学校の時の運動会では、お昼は父兄と別の食べた。私立だったから。
   →「普通は一緒に食べる」等、わいわいがやがや。

  ⑦紅白のハチマキと帽子を出す。
   (それぞれ、赤か白か、いずれかを選び、わいわいがやがや、と結ぶ)
   →昔は、女子はハチマキ、男子は帽子だった。
   →私の時は、たすきだった。
   全体の一部①.jpg  

    

 ⑧ブルーマの写真を回覧する。
   →皆、こんな感じだったね。懐かしい。
        →スカートだった。女学校は。体育が盛んでなかった。
    国語が盛ん。古い学校だったから。

   →よくちょうちんブルマーといっていた。

  ⑨全員に発言していただいたので、さらに詳しいお話に移る。
   →本当に運動会が始まるような雰囲気を感じていただくために、行進曲を
    「ちゃんちゃん、ちゃんたららった・・・・・・」とほぼフルコーラス歌う。

            

3)運動会といっても、いろいろとやり方がありました。
  ①幕を張って、外から見えないようにして、幕の中で運動会をした。。
   お嬢様学校だったから。
   →紅白の幕で、男子学校の生徒が見に来るので、覗かれないように。
   →お父さんも、見に来てはいけない。
   (男子禁制、お父さんも禁止の運動会に、皆さんびっくり)

   →男の先生はいなかったの?
   →いれば、年配のおじいさんだけ。数学の先生だけ、男のおじいさん。
   →今は全くちがう。

   →田舎の学校だから、私には想像がつかない。

  ②運動会は嫌いだった方にお聞きしますが「見る」のは、何が好きでしたか?
   →リレーを「見るのは、好き。
    運動家のアンカーは、ハチマキがながく後ろにのびて、格好よかった

   →リレー、騎馬戦、組み体操、みな楽しい。
   →見るのは騎馬戦が面白い。
    女子は騎馬戦はやらなかった。男の子だけ。
    戦って居る間はドンドンドンと太鼓が鳴っていて、見ていて楽しかった。

   →「教員リレー」もあった。
   →部落競争は、大人がやっていた。
    田舎で、畑仕事で体を使っていたので、急に走っても転ばない。

  ③玉入れは参加した。
   →玉入れは、紅白に分かれてやった。
   →くす玉は、ぶつけて割った。

      ④小学校は戦争中だったので、あまり記憶にない。
        →戦争中だったので、運動会はなかった。
   →地域や場所によって、違うが、田舎では、運動会はやっていた。

  ⑤二人三脚はやりましたか?
   →やった。足がもつれる。
    二人が足を括っとるのだから。

        (「上手に走るコツは何ですか?」という質問に)
   →二人が、一人になる気持ち、
    肩組んで、イチニ、サンシ、イチニ、サンシ。

   (「相手に気を遣わなかったですか?」の質問に)
   →走るのが遅かったので、声かけて、一、二、三、四と。
        →相手が気を遣ってくれた。
   →1人で走るより、気が楽。1人の時は、何時もビリ。

   全体①.jpg 

  ⑥運動会での「今も思い出すできごと」について(リーダーより)
   →何時もビリだったのに、前の3人がこけたので、3着になったことがあ
    る。
    旗が立っているところに、3番の処にいった。
    商品は鉛筆1本。
    その時の気持ちは、うれしいが4割、私が3番でいいのかな?転んだ人
    をまたいで、人として、良いのか?と考えてしまいました。
        →50年以上経って、今はどう考えているのでしょうか。
    今、私がどう思っているか。皆さん、どう思っていると思いますか?

   (皆さんに問いかけ、発言を待ちながら)
   →私は思いました。
   →今は、人生は、そんなもの。転んだり、起き上がったり、と思います。
    辛いときもあれば、幸せな時も。
   (皆さん、同意した表情に。頷く方も)
   →人生は、運動会の障害物競走のように、山有り、谷有り。
    良いときもあれば、そうでないときも。
        →皆さんは、今は、どの辺りですか。山あり谷ありの人生で。

    (皆さんわいわいがやがやしながら)
        →今は平穏無事。
    こうして、自分で作らなくても食べさせて貰っている。
   →真面目に働いていたから。
   →稲刈りを、学校から早く帰ってやっていた。働いていた。

   (「やってきて良かったと思いますか」という問いかけに)
   →「やってきて良かった」、「今があるのは、昔頑張ったから」等々、
    わいわいがやがや。

   ⑦応援合戦で終了
   →運動会も、色んなことを教えてくれますね。
   →幕を張って、先生も見張りに立って、外から見えなくする運動会があっ
    たなんて、今の時代に、幕を張ってやったらどう言われますかね?
   →今日は、皆さんも知らなかった運動会、珍しい戦前の運動会のお話もし
    ていただきました。

   →応援が楽しかった、という方が多いので、これから応援をしましょう。

   (皆さん、「運動会はドンドンドンという太鼓の音と笛も賑やか」、「応援
    も楽しかった」、「フレーフレーと応援するのが楽しい」等、わいわい
    がやがや)

   →では、最後に、運動会のように、これから応援をしましょう。
    何を応援しますか?

   →そう、私たちの未来を応援しましょう。

    (ということで、皆さん、大きな声で「フレー、フレー、***」と大き
     な声を出して、終了)
   (「フレー、フレーの次の「***」には、今お住まいの施設名が叫ばれ
    ました)

          全体の部分③.jpg

<実施後に、振り返って>
・リーダーのメモから
①体育用のホイッスルの音は、耳の遠い方でもはっきりと聞こえているようで、
 開始の時に吹いて、全員の方が集中されたように思いました。

②行進曲(軍艦マーチ)は、開始の時にはさわりだけ短く歌い、本題に入るとき
 には最後まで歌い、より詳しくお話ししていただく雰囲気を出そうとしたが、
 どうだったのでしょうか。

③戦争のあった時代ですので、運動会ができなかった方もあれば、お祭りのよう
 に笛や太鼓が鳴って、地域全体で参加されるような賑やかな運動会もあり、
 男子禁制の運動会もあり、いろいろと勉強になりました。

④回想法の最後に、運動会の応援合戦の雰囲気を思い出して、フレー、フレーを
 お元気に叫んでいただきましたが、更に、今の生活を応援するお気持ちになっ
 てフレー、フレーと叫んでいただきました。
 →回想法の終了後、今の生活のどんなところを応援し、何に感謝しているのか、
   という話題で盛り上がりました。
 →施設のスタッフも一緒になって、わいわいがやがやとおしゃべりしながら、
  ここで一緒に生活する仲間と仲良く、美味しくご飯を食べている今の生活に
  感謝し応援するという結論になりました。


<コ・リーダーのメモから>
①参加者のお話しの中で、運動会が大好きだった方が「太鼓の音を聞くとじっと
 していられない」という発言から、その後の進行の中で、拍手や歓声や応援等
 の「運動会の音」を意識する言葉をちりばめていたので、参加者の方々もより
 鮮明に当時を思い出されているように感じました。

②最初に、皆さんから運動会を好きだったか、嫌いだったか、をお聞きする時に、
 「好きか嫌いか」を直接的に聞くのではなく、「待ち遠しい」か、「またなの
 嫌だな」という「気持ちへの問いかけ」をしたので、参加者の方は当時の気持
 ちを直接思い出そうとしているようで、一瞬立ち止まった印象がありました。
 このような導入のやり方は、新鮮な印象でした。
 ・参加者の方も、「イエスか、ノーか」という二択ではなく、言葉を選ぶ必要が
  あるので、他の方のお話しに集中していただく効果もあるように思いました。

③「運動会の音」を思い出していただくような問いかけを、意識して行っていた
 ので、参加者の方も、より鮮明にイメージしながら話されていたように思いま
 した。
 →ホイッスルのピーという音は、開始の合図や、話題を変えるときの合図に、
  効果的だったように思いました。
  また、ホイッスル以外にも、初めから終わりまで、運動会のいろいろな音が聞
  こえてくるような雰囲気があり、このようなやり方(技法?)も効果的と思い
  ました。

④全体的な話題に移るときに、紅白のハチマキや帽子の道具を配り着用していた
 だく進行は良かったと思いました。
 →さあ、これからいよいよ本題に、という雰囲気になったように思いました。

⑤二人三脚のように、複数で実施する競技のお話しでは、友人の思い出も一緒に
 語られることになるので、思い出も拡がるように思いました。

⑥昔の思い出を「今につなげる質問」があった時は、お話しする方の雰囲気が少
 し変わったように感じました。
 →「その時は、どう思いましたか?」、「恥ずかしかったですか?」、「今なら
     ば、どう思いますか?」というような問いかけで、昔の時間が今の時間に繋が
     ったたような雰囲気になったように感じました。
 →日頃の会話では、このような話題にはなりませんが、回想法の場では違和感な
  く可能なように思いました。


                             (リーダー:N)

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