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回想法と認知症についての [お薦め本]

<回想法関連>
                                               『コミュニケーション・ケアの方法』(「思い出語り」の活動)』
  フェイス・ギブソン著 筒井書房 2002年 
→高齢者を介護する上で「思い出を語る」ことが如何に重要かがよく分かります。回想法
 も含めて高齢者と「思い出語りの技法を学ぶ最初の一歩」を踏み出す方を対象に、実践
 上での多様なケースについてのさまざまな留意点が記してありますので、施設や地域だ
 けでなく、家族や仲間での[思い出語り]にも参考になります。日本語の翻訳文も読み
 やすくお薦めです。

    ギブソン.jpg

『回想法 思い出話が老化をふせぐ』
 矢部久美子著 河出書房新社 1998年(引用文献の注2に同じ)
→イギリスで回想法を学んだ筆者が、回想法実践者からの取材内容や文献を、雑誌的な構
 成で分かりやすくまとめてあります。「黒川由紀子さんに学ぶ」と題した「家族が行う
 <回想法>」はユニークで参考になります。また、黒川氏の例に加えて、様々な回想法
 の実践例が初心者にも分かりやすく紹介してあります。

    老いの臨床心理(下から).jpg

『Q&Aでわかる 回想法ハンドブック』(「よい聴き手」であり続けるために)』
 編集代表:野村豊子 編集:語りと回想法研究会/回想法・ライフレビュー研究会
 中央法規 2011年(引用文献の注3に同じ)
→回想法を実践するための基本事項が総括的にまとめてあります。Q&A形式なので読み
 やすく便利です。前作の『回想法ハンドブック Q&Aによる計画 スキル 効果評価』
 が2001年に発行された後、10年間の「日々の実践の積み重ねの中で新しい見解や
 成果」もまとめてあり、回想法の普及ぶりと進歩も良く分かります。回想法の全体像が
 分かる内容とボリュームです。(前作の内容で特に必要な項目は再録されています)

    Q&A.jpg

『回想法とライフレビュー その理論と技法』
 野村豊子著 中央法規 1998年 (引用文献の注4に同じ)
→回想法について、その歴史と現状(発行当時の)を総括的に詳しく記してあります。
 実践面についても多くの例が記載されており、専門的テーマを調べる時に開いてお
 ります。

     野村レビュー.jpg

                                                                                                                          『回想法 高齢者の心理療法』
 黒川由紀子著 誠信書房 2005年(引用文献の注5に同じ)
→タサブイトルのとおり「高齢者の心理療法」としての視点から、回想法について詳しく
 記し、実施例も多く記載されている専門書です。また、実施する側の心理状況が記され
 ているページもあり、回想法にもいろいろな色合いのあることが分かります。

     黒川臨床心理.jpg

『老いの臨床心理』
 黒川由紀子偏 日本評論社 1998年
→臨床心理の専門家によって、高齢者の心理や高齢者との接し方が、一般人にも分かりや
 すく書かれています。回想法に限らずいろいろな状況での対応例が参考になりました。

    老いの臨床心理.jpg

『地域回想法ハンドブック 地域で実践する介護予防プログラム』
 監修 遠藤英俊 編集 NPOシルバー総合研究所 
 河出書房新社 2007年 (引用文献の注7に同じ)
→北名古屋市(旧師勝町)の[回想法センター]を拠点に、地域の高齢者の方を対象とし
 た活動状況を中心に記されています。

     地域.jpg  

<認知症関連>

『「私は誰になっていくの?」(アルツハイマー病者からみた世界)』
 クリスティーン・ボーデン著 株式会社クリエイツかもがわ 2003年
→介護する側ではなく、認知症患者自身が書いた認知症の本は希有、と話題に。
 1995年5月に認知症と宣告された日から、1998年に本書が出版されるまでの日々を
 綴ってあります。認知症という病に罹っても、人間性までも認知症と一括りにされた
 くない、という思いも切々と。日本語訳の前書きが書かれた年(2003年2月)に来日
 し、新幹線の中から「霞をたなびかせた富士山がすっくと立つ雄々しい姿」を目にし
 た感動も。文章に病の気配は感じられず、認知症の方からみた周囲の世界がよく分か
 ります。
→本書から6年後,『私はわたしになってゆく』を出版。6年間の心の軌跡が書名に。

    私は誰に.jpg

     私は私に.jpg

『認知症の人々が創造する世界』
 阿保順子著 岩波現代選書 2011年 
→認知症専門病棟で認知症患者の看護に携わり、不可解と思われる認知症の人達の行動に
 も、その人にとって必然的な理由があることを、旺盛な好奇心と詳細な観察から解き明
 かしていく。読了後、認知症の(そして高齢者の)方々への視点が変わりました。
 (写真は、2004年発行の「痴呆老人が創造する世界」、岩波現代新書はその再版)

   阿保.jpg

『「痴呆老人」は何を見ているか』
 大井玄著 新潮新書 2008年 
→この本は、臨床医学と介護の問題を出発点に、認知症について記されております。
 その考察は、時代背景、哲学、宗教、歴史、現代社会の諸相を網羅。認知症を考える時
 の教科書として、折に触れて読み返しています。何故アメリカに認知症が多く、日本で
 も急増しているのか、敬老の風習と認知症の関係、等々、難解なテーマも、読みやすい
 文章で、分かり易く記してあります。薄目の新書ですがその内容は超弩級。医療と介護
 の研究書と研究論文だけでなく、他分野の書籍も渉猟しその出典も詳細に記してありま
 すので、更に深く知りたいときのガイドブックとしても秀逸です。

     大井玄.jpg

 <追記>
回想法関連の書籍は、上記の他にも沢山ありますが、書店の店頭には置かれていないこと
が多いようです。市町村の図書館にはあると思われますのでチェックしてください。
絶版の場合でも、アマゾン(または楽天)での購入可能なものもあります。
(2015年3月時点)


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